生きる

      名画劇場 「生きる」続編

 

 

 そしてこの日がこの男にとって本当の誕生日となった。こ

 

の市民課長、ついに住民の為に命を賭けて子供の遊び場の公

 

園を造ることを決意したのであった。命を賭けて公園づくり

 

のために奔走し、そしてそれから5ヶ月後、この男は死んで

 

行った・・・

  

雪の降る寒い朝、出来たばかりの公園のブランコの上でこの

 

男はしみわたる声で、しみじみとゴンドラの歌を口ずさみな

 

がらこと切れていた・・・

 

 ♪命みじかし~恋せよ おとめ 赤い唇 あせぬまに~ 

 

熱き血潮の きえぬまに~ 明日という日の ないものを~

 

 

 そして数日後、市民課長の葬式の日、部下達が課長につづ

 

葬式に詰めかけた住民の前で明日から陳情はたらい回し

 

せず皆様のために頑張りますと固く誓いあった。

 

 

ところがこの映画これで御仕舞かと思ったが、つづきがあ

 

った。葬式も済んだ数ヵ月後、役所の助役はあの公園は私

 

が尽力をつくして完成させたと手柄を横取りし、葬式の日

 

誓い合った部下達は相変わらづの元のままに、たらい回

 

遅れず、休まず、働かずの仕事がつづいていた。

 

                                       

 

                     終わり