私と合気道
磯部 節弘
出会いは約40年ほど前になる。テレビでは柔道やバレーボ
ールのドラマやアニメが流行っていた頃である。たまたまニ
ュースかドキュメントの番組の中で胴衣と袴を着けた二人
が、畳の上で踊るように動き、一方を倒していた場面があっ
た。倒れた方は、畳から足が相手の頭上まで舞い上がり、背
中から落ちていた。しかし、直ぐに立ち上がりまた相手に向
かっていった。こんな場面が頭の中に残っている。あんな舞
い上がるように高く上がって背中から落ちて大丈夫なのかな
ぁと思ってしまった。柔道の受身と明らかに違っていたので
不思議で衝撃的でもあった。今思えば、入り身投げをやって
いたのだが…。自分もあんな受け身をやってみたいと憧れて
しまったものである。
あれからウン十年…途中、稽古から離れてしまったことも
あるが、何とか続いている。今は、体を動かす機会が年々少
なくなってきているので、合気道の稽古が健康のバロメータ
ーでもある。腕や足腰の関節の痛みそして、息切れと付き合
いながら、体を動かす年代になってきた。力任せの動きから
別の方法を見つけなくてはと、稽古の意識が変わりつつあ
る。合気道の先人達が歩んできた道を、どこまで体感できる
かわからないが、細く長く合気道とつきあっていきたい。
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