合気道感想文その25

       私と合気道                            

     

               磯部 節弘 

 

 出会いは約40年ほど前になる。テレビでは柔道やバレーボ

 

ールのドラマやアニメが流行っていた頃である。たまたまニ

 

ュースかドキュメントの番組の中で胴衣と袴を着けた二人

 

が、畳の上で踊るように動き、一方を倒していた場面があっ

 

た。倒れた方は、畳から足が相手の頭上まで舞い上がり、背

 

中から落ちていた。しかし、直ぐに立ち上がりまた相手に向

 

かっていった。こんな場面が頭の中に残っている。あんな舞

 

い上がるように高く上がって背中から落ちて大丈夫なのかな

 

ぁと思ってしまった。柔道の受身と明らかに違っていたので

 

不思議で衝撃的でもあった。今思えば、入り身投げをやって

 

いたのだが…。自分もあんな受け身をやってみたいと憧れて

 

しまったものである。 

 

 あれからウン十年…途中、稽古から離れてしまったことも

 

あるが、何とか続いている。今は、体を動かす機会が年々少

 

なくなってきているので、合気道の稽古が健康のバロメータ

 

ーでもある。腕や足腰の関節の痛みそして、息切れと付き合

 

いながら、体を動かす年代になってきた。力任せの動きから

 

別の方法を見つけなくてはと、稽古の意識が変わりつつあ

る。合気道の先人達が歩んできた道を、どこまで体感できる

かわからないが、細く長く合気道とつきあっていきたい。